小説75

「だいたいこの会は何なんですか?」
ぼくは小さな声で“銀座”に訊いてみた。“銀座”の話によると、“敏腕”のテレビ局で来年から始まるドラマのためにこの中にいるはずの女流作家がストーリーを書き下ろす事になり、その打合せだったと教えてくれた。つまり、ぼくの見当はそれほどはずれていなかったらしい。“銀座”が女流作家のことを「彼女が」と表現したということは、“銀座”ではなく“池袋”が女流作家なのだろう。人は見かけによらないものだ。アイドルは主人公の恋人役で、大学生の設定らしい。豊田瀬梨香は何なのだろう。しかしそれは訊かないことにした。
「で、ぼくは何のためにここに呼ばれているんですかね?」
「さあ、それは私も知らない。ただ堀口さんが呼ぶように言ったみたい。」と言いながら“銀座”はぼくの肩越しに向こうを見た。どうやら株成金は堀口というらしい。彼女にも解らないとなればあとは本人に訊いてみるしか方法はない。ぼくは思いきって堀口という名の株成金の方へ体を向け、そして言った。
「すみません。ぼくは何故ここに呼ばれたんでしょうか?」
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by ktaro1414 | 2008-04-10 12:27 | STORY