小説61

「ぼくの影響力?そんなものほとんどありませんよ。全くと言ってもいいかも」
「だから、そういうところよ」
そこで寿司が運ばれてきて、自然と会話が途切れた。
「まあいいわ。今日のところは許してあげる。さ、食べよ」
そう言って彼女はいきなりウニの軍艦巻きをほおばった。何となく釈然としないまま、ぼくは鉄火巻きに手を伸ばした。
 特上のにぎりを一人前ずつと、ビール中瓶2本、そして二合徳利3本があっという間に無くなっていた。
「この後、上のバーで飲んでいこ。そして、ここに泊まるの。ね、いいでしょ?」
ぼくは、まだ先ほどの会話を消化し切れて無く、なんとなく返事をしづらかった。
「なに?不満でもあるの?あした学校?」
「明日は休みですよ、土曜日だから」
「あ、明日は土曜日か。じゃあいいじゃない。さ、行こう」
そう言って、さっさと勘定を済ませてエレベーターへと彼女は向かっていった。相変わらず曜日感覚のない人だと思いながら、仕方なくボクは彼女の後に続いた。
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by ktaro1414 | 2007-07-23 19:07 | STORY