小説8

                         第2章 

 高校生のころのぼくは、特にこれといって特徴のある方ではなかった。ぼくの通う高校は県立でそこそこの進学校であり、ぼくは2年生まではバスケットボール部でそれなりに活動していたが、成績は良くもなく悪くもなく、いたって普通の生徒だったと思う(普通の生徒というのがどういうものなのかという方が難しい気もするが)。ただ、つまらない授業を受けるのがひどく苦手で、朝受けたくない授業があれば終わる時間に登校したし、午後嫌な授業があれば早退し、昼前にそれがあれば屋上で時間をつぶした。学校へはそれほど遠いわけではなかったがバイクで通った(もちろんバイク通学は禁止されていたし、免許を取ることも許されていなかった)。学校の関係者、つまり先生や生徒たちは、それらのことだけを見てぼくをいわゆる不良生徒だと見なしていた。ぼくは隠れて煙草を吸うこともなければ、街中で気の弱そうな人間を捕まえて金を奪うというようなこともなかったし、喧嘩なんかしたいとも思わなかった(たぶん喧嘩をしたら、勝率は桑田の打率より低かっただろう事は容易に想像出来る)。でも、それだけが不良と言われる理由ではないのだろうし、ぼくもそう思われることについてなにも言い訳はしなかった。というよりも、周りからどう思われているかということに関心がなかったという方が当たっているかもしれない。
 そんな風だったため、当然友人は少なかったが(まじめな生徒からは不良だと指さされ、いわゆる不良といわれる生徒からは中途半端な奴だと思われていたらしい)、それでもぼくには彼女がいた。ぼくたちは同じ中学出身で、中学のころはそれほど会話を交わした記憶もないけれど、高校に入ってから少しずつ話をするようになり、1年の夏休みが終わるころには付き合うようになっていた。
 彼女はぼくとは違ってとても社交的で、成績も良かった。ただ、少し体の弱いところがあり時々学校を休むことがあった。そんな彼女が何故ぼくのような人間と付き合おうと思ったのか解らなかったが、とにかくぼくたちは気が合った。学校帰りにはほとんど毎日彼女はぼくの家に立ち寄り、一緒にふたりが好きなバンドのCDを聴いたり(ぼくは危なっかしさが漂うボーカルが好きで、彼女はギターのルックスが好きだった)、ビデオを見たりし、そしていつもセックスをした(ぼくの両親は共働きで、夕方の時間は家には誰もいなかった)。ぼくも彼女も、お互いに初めてではなかったが、そんなことは全く問題がなかったし、ぼくたちの相性は抜群だと思えた。ぼくは彼女がどこをどうすれば喜んでくれるか解っていたし、彼女もその柔らかい唇でぼくのいろんなところに触れてくれた。ぼくは(たぶん彼女も)、ベッドの上で二人で抱き合っている時間がとても好きだった。
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by ktaro1414 | 2006-09-28 11:50 | STORY