忘れた頃に、突然更新


by ktaro1414
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小説72

 VIPルームは個室になっているわけではなく、2階と3階にある着席スペースの3階の方にだけ有り、1階のダンスフロアの方にせり出すようにして作られたスペースだ。10人ほどがゆっくりと座れるソファが置かれ、専用のバーカウンターが設置されている。もちろん専属のスタッフ(フロアが担当する)とバーテンがついて、VIPのお相手をすることになっている。ぼくは、そんな場所であんな奴らのお相手をさせられるのかと思うとひどく憂鬱になり、もう一度「やれやれ」と声を出して言ってみた。入口には香月がなぜか慇懃な感じで立っており、ぼくを見ると手招きして耳元で囁いた。
「オレにもよくわからん。とにかくオマエを連れてこいと言ってる。別に怒っている風ではないが、失礼の無いように。」それだけ言ってフロアの方へと降りていった。
「お呼びでしょうか?」ぼくはそう言って深い絨毯の上に足を踏み入れた。中では5人の男と3人の女がゆったりと半円形に置かれたソファに座り、みんなぼくを珍しそうに眺めていた。豊田瀬梨香を除いては。
「キミがそうか。まあ、座りなよ。」足を組んだままそう言ったのはグレーのポロシャツを着て肩にピンクのカーディガンを掛けた、見るからにそれとわかるような男だった。ぼくが座れと言われたのは、腐るほどの金を持った株成金とぼくが見当を付けた男の隣だった。
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by ktaro1414 | 2007-12-10 12:49 | STORY