小説64
2007年 09月 19日
「ちょっと待っててね。」
チェックアウトをすませた彼女は、そう言って公衆電話の並ぶ場所へと向かって行った。たぶんこれから会うという人間に連絡を入れるのだろう。ぼくはその間、柱にもたれかかりながら、人が行き交うロビーの様子を眺めていた。結婚式があるらしく、振り袖やドレスで着飾った女性たちの姿が目立った。外は快晴だ。今日祝いの日を迎える見知らぬ二人に、ぼくは心の中で祝福を送った。
「よかった」そう言って戻ってきた彼女は再びぼくの腕に自分の腕を絡ませてきた。「むこうも急な打合せが入って時間をずらしたかったんだって。だから、少し時間が出来たの。おなか空いてない?何か食べていこうか?」
たしかに腹ぺこだった。しかし、この寝癖のついた頭でどこにも行きたくはなく、出来ればこのまま一刻も早く自分の部屋に戻りたかった。
チェックアウトをすませた彼女は、そう言って公衆電話の並ぶ場所へと向かって行った。たぶんこれから会うという人間に連絡を入れるのだろう。ぼくはその間、柱にもたれかかりながら、人が行き交うロビーの様子を眺めていた。結婚式があるらしく、振り袖やドレスで着飾った女性たちの姿が目立った。外は快晴だ。今日祝いの日を迎える見知らぬ二人に、ぼくは心の中で祝福を送った。
「よかった」そう言って戻ってきた彼女は再びぼくの腕に自分の腕を絡ませてきた。「むこうも急な打合せが入って時間をずらしたかったんだって。だから、少し時間が出来たの。おなか空いてない?何か食べていこうか?」
たしかに腹ぺこだった。しかし、この寝癖のついた頭でどこにも行きたくはなく、出来ればこのまま一刻も早く自分の部屋に戻りたかった。
by ktaro1414
| 2007-09-19 12:44
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