忘れた頃に、突然更新


by ktaro1414
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小説92

 ぼくは、似たようなことをいつか言われたなぁ、と思った。そして思わず苦笑いしてしまっていた。そう、いつだったか豊田瀬梨香が(その時はまだ瀬梨香だ)ぼくに同じようなことを言ったことがあったのだ。その時はほとんど気にしていなかったが、2度目ともなると少しだけ気になってくる。
「ねえ、自分を理解するってどういう事かな?」
少しだけ彼女が身構えたのがわかった。
「いや、文句を言ってる訳じゃないよ。ただ、前にも同じようなことを言われたことがあってさ。その時もよくわかんなかったんだけど。それで、よかったら教えてくんないかなと思ったんだ」
 彼女は、しばらく考え込んでいた。遠くを眺めながら、時々ぼくの方を向いて、また遠くを眺めて。ぼくは残りのビールを一気に飲み干した。目の前でのんびり泳いでいた水鳥が(たぶん鴨だと思うが自信はない)突然はげしく水音をたてて飛んでいった。
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by ktaro1414 | 2009-04-14 17:32